あの日、君を救えなかった私は〜幼馴染を失った私達の、壊れてしまった恋〜

「……、っ」

朝、目が覚めると目から涙がこぼれていた。




──どうして、こうなってしまったんだろう。


何度同じことを考えたことか。

もう、『あの日』からどのくらい過ぎているのだろうか。

私は今までどうやって笑っていたのだろうか。

そんなことも分からなくなって、自嘲の笑みがこぼれる。


でも、それと一緒についたため息は、震えながら私の口から出ていった。



ふと、部屋に掛けてある、皺一つない、綺麗にアイロンがけされたワンピースに目が留まる。

それはさっき夢に出てきたものと同じもので、なぜか無性に泣きたくなる。


何年も前の記憶。
それは、この前までは思い出すだけで楽しい思い出だったはずなのに、今は辛いと思ってしまう。

もうそこにその時の楽しい思い出はないんだな、と思い知らされる気がした。

あの頃は楽しかったはずの記憶まで、色褪せていってしまう気がした。

……あぁ、嫌だ。

私はこれほどに彼のことが好きだったのか。


大好きだったつもりだったけど、自分がこれほどまでに彼に執着していたんだと、今になって思い知らされた。



もう何も見たくなくて、辛いことを思い出したくなくて、なんとなく寝返りを打とうとしたとき、首にあるゴツゴツした硬い感触。


目を落とさなくても分かる。
世界一大切なハート形のネックレス。


「乃亜、これあげる」


私の中学3年生の誕生日、大好きな人がくれた宝物。