あの日、君を救えなかった私は〜幼馴染を失った私達の、壊れてしまった恋〜

「あんなに優しい優海が、なんでいなくならなきゃいけなかったのかな」


声が震えるけど、言葉は止められなくて、ずっと答えを探すように、問い続ける。

唯斗は何も言わず、ただ私に耳を傾けている。


「優海が何をしたの?なんで、何も悪くない優海が──」


そこまで言って、言葉が詰まった。
どれだけ考えても、どれだけ喚いても、答えなんて出てくるはずもない。

……それでも、ただただ悔しくて仕方ない。

優海を殺した人への怒りと、何も出来ない私への怒り。それが混じりあって、どうしようもない程の後悔だけが残る。


……こんなんで、やっていけるのかな。

本当にすごく優しくて、好きで好きで大好きだった。


前から優海が死ぬ事が分かっていたら、いくらでも対策は取れたのに。助けられたかもしれないのに。

もっと沢山楽しいことを一緒にしたのに。


そんな後悔を並べても、もちろん優海が戻ってくるなんてことは無い。


「……悲しい」

「うん」

唯斗にぶつけるように、ぽろりと言葉を口にする。

その言葉を口にした瞬間、自分の中の気持ちが分かった気がした。

悔しいし、辛い。もちろんそれもある。

でも、1番は──悲しいんだ。

他の気持ちに押しつぶされて、1番大きい気持ちが隠れてしまっていた。

そう思うと、妙に心にすとんと何かが落ちる気がした。


それと同時に、はっ、と笑いなのかため息なのか分からない乾いた息が零れる。

私は何で唯斗に当たっているんだろう。

唯斗を慰めようとして来たんじゃないの。結局唯斗にストレス与えて、本当、何やってんだろ……。


……ああもう、嫌だ。
もう優海が死んでから1週間は経ってるのに、いつも頭にあるのは優海の笑顔。


忘れるなんてもちろん無理だ。それは無理だけど──

「……このままじゃ、優海に依存しちゃう」
「何それ」

ぽろりと零れてしまった私の言葉に、感情の所在すら分からない唯斗の嘲笑が降ってくる。


「何、依存したら悪いの?」


背筋が凍ってしまいそうな程の温度の無い声に、思わず言葉を失った。