あの日、君を救えなかった私は〜幼馴染を失った私達の、壊れてしまった恋〜



もし優海だったら、どうしてただろう。
もし優海だったら、唯斗も相談とかできたのかな。

そんな嫌な考えばかりが頭を支配する。


唯斗はそんなこと思ってないかもしれないけど、私はどうしても、唯斗が話さないのは私に理由があるのかと思ってしまう。

……私は、そんなに頼りないかな。


「……ごめん」


気付いたときにはもう遅くて、親切で言ってくれた唯斗を突き放すように、そう呟いていた。

唯斗の目に、心配と、隠しきれない哀愁の色が滲んでいくのが分かった。


……あ、やっちゃった。

そう思うと同時に、後悔がじわじわと押し寄せてくる。


違う。そういう意味で言った訳じゃない。

ただ自分が情けなくて、どうしようもなくて……。


「え、っと……違う。その……」


どうにか言葉を探そうとするけど、もう既に私の頭は限界に近かったみたいで。


「乃亜。もういいから」


そう、唯斗に優しく言われて初めて、自分の頬が濡れていることに気が付いた。


「……え、?」


なん、で……。
何やってんの、私……。

自分でも、泣いている理由が分からなくて戸惑ってしまう。

でも、一度その存在を意識してしまえば、堰を切ったように涙が溢れてきて。


「……っ、ごめん」

「うん」


それ以上何も言わず、ぎゅっと抱きしめてくれる。



窓の外は、いつの間にか薄暮の色に沈み始めていた。

明かりの灯っていない真っ暗な部屋。
私はただ、彼の腕の中で意味もない涙を流すことしか出来なかった。