君に会いたいと願っても。

「じゃあさ。」



「一緒に行かない?」



その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が少しだけ熱くなった。



「……うん。」



気づけば、私は小さく頷いていた。



廉は嬉しそうに笑った。



「よかった。」



その笑顔を見るだけで、なぜか私まで嬉しくなる。



その帰り道。



駅へ向かって歩いていると、廉が少し迷うように口を開いた。



「ねえ。」



「ん?」



「今日さ。」



少し間を置いて、廉は私を見る。



「泊まっていかない?」



突然の言葉に、私は足を止めた。



「え?」



「いや、その……嫌ならいいんだけど。」



いつも余裕そうに見える廉が、珍しく少し困ったような顔をしている。



「ただ……もう少し一緒にいたいなって思っただけ。」



その言葉に、胸が少し揺れた。



でも、私は一度首を横に振った。



「ごめん。一回帰る。」



「そっか。」



廉は少し寂しそうに笑った。



でも、帰り道。



一人で歩く夜道は、いつもより静かに感じた。



家に着いても、誰もいなかった。



両親は仕事で帰りが遅い。



クリスマスも、お正月も、特別なお祝いをする予定はなかった。



もちろん家族との時間が嫌なわけじゃない。



でも、さっきまで隣にいた廉との時間を思い出すと、少しだけ寂しくなった。



スマホを見る。



廉から届いたメッセージ。



『今日はありがとう。楽しかった。』



その文字を見て、私は気づいた。



本当は、まだ一緒にいたかったんだ。



私は急いで荷物をまとめた。



そして、もう一度廉のもとへ向かった。