君に会いたいと願っても。

それから、二週間後。



冬休みが終わり、学校が始まった。



久しぶりの教室。



「おはよう。」



「おはよう。」



いつものように友達と挨拶を交わす。



そして、いつものように自分の席へ向かう。



「幸、おはよ。」



後ろから声がする。



振り返ると、廉がいつもの笑顔で立っていた。



「おはよう、廉。」



「冬休み、ちゃんと宿題した?」



「一応ね。」



「絶対ギリギリにやったでしょ。」



「廉もでしょ。」



「ばれた?」



二人で笑う。



付き合う前と、何も変わらない。



教室では普通に話す。



廊下ですれ違えば声をかける。



休み時間になれば、くだらない話をする。



でも、私たちの関係を知らない人なんて、たぶんもういなかった。



というより――



みんな、なんとなく気づいていた。



もともと私と廉は仲が良かった。



毎日のように話していたし、一緒に帰ることもあった。



だから、以前から、



「幸と廉って付き合ってるんじゃない?」



そんな噂が出ることも珍しくなかった。



でも、誰も私たちに直接聞くことはなかった。



たぶん、みんな分かっていたのだ。



私たちがどんな関係でも、別に驚くことではない。



それくらい、私と廉が一緒にいることは、みんなにとって当たり前になっていた。



「ねえ、今日一緒に帰る?」



廉が何気なく聞いてくる。



「うん。」



「じゃあ、帰り待ってる。」



「分かった。」



それだけ。



特別なことなんて何もない。



でも、私はそんな日常が少し嬉しかった。



誰かに隠れる必要もない。



わざと距離を取る必要もない。



いつも通り話せることが、今は幸せだった。


⸻


そして、少しずつ卒業が近づいていた。



教室では、進路の話をする人が増えていった。



大学に行く人。



専門学校に進む人。



就職する人。



それぞれが、自分のこれからを考え始めていた。