君に会いたいと願っても。

私たちは、あと数ヶ月で高校を卒業する。



今まで毎日のように会っていた友達とも、先生とも、この学校とも離れる。



そして、廉とも。



「卒業したら、今みたいに会えなくなるのかな。」



思わず口から出た言葉だった。



廉は少し考えてから、私を見る。



「会えるよ。」



「ほんと?」



「だって、付き合ってるじゃん。」



その言葉に、胸が温かくなる。



「そっか。」



「学校がなくなっても、俺たちは変わらないよ。」



廉はそう言って笑った。



その笑顔を見ていると、不思議と不安が少しだけ消えていった。



「じゃあ、卒業してもいっぱい会おうね。」



「うん。」



「約束。」



「約束。」



小指を絡める。



そんな子どもみたいな約束が、なぜか嬉しかった。



カフェを出る頃には、外はもう暗くなっていた。



街灯が冬の道を照らしている。



「送ってく。」



「いいよ。寒いでしょ。」



「いいの。」



そう言って、廉は私の隣を歩く。



帰り道。



何度も話した。



今日見た魚のこと。



学校のこと。



これからのこと。



くだらない話まで。



それでも、家に着くのが少し寂しかった。



「今日はありがとう。」



「こっちこそ。」



「また遊ぼうね。」



「うん。」



離れたくない。



そんな気持ちを、私はまだ上手く言葉にできなかった。



ただ、繋いだ手の温かさだけは、ずっと覚えていた。