未来と過去とイフがわかるお嬢様の学園生活

「どうするの、ゆずきちゃん? 猫のおやつ買う?」

「そんなの決まってるでしょ。
可愛い猫ちゃんのためだもの」
「本当にそう思ってる?」


 その時、突然激しい揺れが襲ってきた。

 私は慌てて、
 床に固定されたキャットタワーにしがみつき、
反射的にゆずきちゃんの腕を強く掴んだ。

 揺れが大きすぎて、
 どこかに隠れたり避難したりする余裕なんてない。
 何が起こっているのか状況を整理する隙すら与えられなかった。

 やがて、揺れがおさまった。

 この猫カフェ自体は、
 特に大きな被害もないようだった。
 それにしては、異様なほど強い揺れだった。

 嫌な予感がして能力を使うと、
 白薔薇学園が崩壊している「過去」が見えた。
 ほんの数秒前の映像だ。

「ゆずきちゃん、ここを出よう」

「どうして?」

「白薔薇学園が崩壊してるの」

「えっ、急に話が飛躍しすぎてない!?」

「いいから来て!」

 私はゆずきちゃんの腕を引っ張り、
 強引に猫カフェを飛び出すと、
 急いで白薔薇学園へと向かった。

 到着した目の前で、
 学校は本当に崩壊していた。
 私たちが暮らす寮も含めて、
 跡形もなく。

「どういうこと……!?」

 ゆずきちゃんは完全に困惑していた。

「今、状況を整理するわ」

 私は意識を集中させ、
 原因を探るために過去を見ようとした——その瞬間だった。

 崩落した白薔薇学園の瓦礫から、
 一気に炎が燃え上がった。

「な、何!? 一体なんなの!?」

 ゆずきちゃんの混乱はピークに達していた。

「とにかく、ここから離れましょう!」

 私はゆずきちゃんの腕を再び強引に引っ張り、
 その場から離れた。
 直後、背後から凄まじい爆発音が轟いた。

 テロの仕業なのだろうか?

 だとしても、なぜピンポイントでこの学園が狙われたのか、
 まったく見当がつかなかった。