絶世の令嬢は求愛される

 鏡を見ながら、
 何度も自分の姿を確認した。

 いつもは自宅の大きな鏡で確認しているのだが、
 女子トイレの鏡は小さくて全体が見づらかった。

「アル、似合ってると思う?」

「闇姫は美人なんだから、
どんな髪型でも似合ってるだろうに」

 幼い頃から周りに「美人」と言われてきたけれど、
 私自身にはそんな実感はない。

「制服も着慣れていないし、
それにこの髪型だってまだ慣れていないのよ」

「そう言われればそうだな。ところで、
いつものツインテールはどうしたんだ?」

「小学生の頃はツインテールでよかったけれど、
最近はだんだん違和感を覚えるようになってね」

「よくわからんが、そろそろ授業に遅れるぞ」

「大変、そうだったわ」

 私はいそいで教室へ向かった。
 教室に入ると、そこには小田(おだ)マリちゃんがいた。

「日かりちゃん、水亀君にリボンを拾ってもらったんだって?
大丈夫だった?」