スパダリの溺愛はスーツを着崩すように

社長は私の手を引く。
誰もいないところまで来た。

本当は頭を撫でられて嬉しかった。

「そんな顔して……彩乃は可愛いな」

嬉しかったの顔に出てた!?って今可愛いって…。

「彩乃…ちょっとだけ抱きしめさせて」

その瞬間抱きしめられると黒澤社長の温もりと大きな手が背中に触れる。
大事そうに頭まで包みこまれる。
こんなの照れてしまう。
この感情が何なのか今は分からない…。

「…黒澤社長?」

「嬉しかった、KUROSAWAを好きになってくれてありがとう」

黒澤社長の声が柔らかい。
私は抱きしめ返した。
そのままちょっとだけのはずなのにしばらく私をそっと抱きしめて離してくれなかった。