「そう……だよね。今更私たちにそんな話、来るはずないよね」
へらりと笑ってほっぺたを掻く。
二人の言う通りかも。
あの女の人に、遊ばれただけかも知れない。
キラキラした世界に憧れている子供を狙った悪意。
夢をチラつかせて、騙すつもりだったのかも。
造花ゲームというのが何かの番組や企画だったとしても。
そんなチャンスが巡ってくるなら、もっと人気のライブハウスで……もっと目立っているアイドルグループに声をかけるだろう。
「そんなことより、さっさと着替えて帰ろーよ」
「そうですね……私も早く帰ってピアノのレッスンをしなくてはいけません」
「珊華は習い事?さすがお嬢様~、お優雅ですこと。……あたしは今日もバイトとかダル~い」
しぃちゃんがロッカーを開いて衣装を脱ぐ。
「失礼、これはもう必要ありませんでしょう?」
珊華ちゃんが私から招待状を取り上げ、ゴミ箱にポイッと捨てた。
「うん……そう、だね」
後ろ髪を引かれるような気がするのは、まだあの招待状に淡い期待をしているからだろうか。
「……やっぱり、諦めきれないよ……」
ボソッと呟く。
このメンバーでトップアイドルになるという、最後のチャンスが目の前にあるのかも知れない。
リーダーとして、一人のアイドルとして……どうしても見過ごせなかった。
私服に着替えて去って行く二人。
その最後尾で気づかれないようにゴミ箱から招待状を掴んでバッグに入れる。
きっとこれが、夢を叶える最後のチャンス。
もし危ない目に合いそうなら、逃げればいい。
そんな軽い考えで、私は造花ゲームへの参加を決めた。



