「考えてみなよ、こまる。こんなの絶対に怪しいって!ウチらみたいな底辺の地下アイドルを狙った詐欺とかだよ絶対」
「椎菜さんと意見が被るのはしゃくですけど、私も概ね同意見です。こういうものは無視する方がいいかと」
後ろ向きな二人に、戸惑いながらも私は自分の意見を伝える。
「でもさ、ゲームって形の、新しいオーディションなのかも知れないよ?私たちが偶然その参加者に選ばれた可能性もまだ――」
それを聞くなり、しぃちゃんも珊華ちゃんもクスクスと忍び笑いをもらした。
「もぉ、こまるリーダー!しっかりしてよ~?偶然あたしたちが目をかけてもらえた……なーんて、マジで言ってる?」
「私たちの現状をよくお考えくださいな。グループを組んでもう時期一年、知名度もなくくすぶっている私たちですよ?」
その言葉に、私は思い出す。
事務所の独断で選ばれた研修生三人。
アイドルグループ『記号少女』として活動をしていても、芽は出なくて……ファンは一人もいない。
特にダンスが上手いワケでも、歌が上手いワケでもなかった私たちが……誰かの目に止まることはなかった。
努力しても売れない私たちは、事務所でも腫れ物扱い。
今では配るチケットすら用意してもらえなくなった。
こうして週に一回、珊華ちゃんの親戚が趣味で経営するこのライブハウスで歌って踊るだけの日々。
ライブというより、カラオケみたいな空間の中。
地下アイドルというのもおこがましいような、意地だけで続いているアイドル生活が、ここにあった。



