BLUE YELL ―その声が届くまで―

私は壁際へそっと身を寄せ、邪魔にならないよう練習を見つめた。

 音楽が流れる。

 八人のチアリーダーが一斉に動き出した。

 息の揃ったフォーメーション。

 軽やかなステップ。

 弾けるような笑顔。

 競技チアとは違う。

 スタンツの難易度や完成度を競うわけではない。

 それでも、一つひとつの動きからは、観客を楽しませたいという想いが真っすぐ伝わってきた。

 思わず口元が緩む。

 ――素敵だ。

 その一言が、自然と心に浮かんだ。

「もう一回いきます!」

 ディレクターの声が響く。

 さっきまで笑顔だったメンバーの表情が、一瞬で引き締まる。

 その切り替えに、懐かしさを覚えた。

 どんなチアでも。

 向き合う姿勢は変わらない。

 その時だった。