余所者-よそもの-【 3 】




「多夜、捨てたのか?」

「……覚えてない」


カエデがアオイにやった一眼レフ。

外に出られないアイツが、自分の目の代わりに持たせていたものだった。


多分、アオイにとっては大切なもので。

長らくアオイの自由を縛ってきたものでもある。


一度雨に濡れたらしいそれは、すでに壊れていた。


多夜がゴミだと思って捨てた可能性は大いにある。

……あるいは。

もう、アオイが持っている必要はないとでも思ったか。

そこまでの感情がコイツにあるかは謎だが。


どっちにしても。

「全部段ボール開けりゃ、わかることだろうが」


面倒になった俺は、アオイをシカトして靴を脱いだ。

段ボールの隙間を縫い、部屋の奥へ進む。


後ろから、アオイと多夜もついてきた。


「ってかお前、どこ行ってた?」

「役所」

「こんな朝っぱらから?」

「お前知らねぇのか。役所は朝からやってる」

「知ってるよ!勝手に出るなよ。朝起きたらいなかったから心配した。電話くらい出ろ」


……マジうるせぇな、コイツ。

もうちょい多夜とモメさせときゃよかった。