余所者-よそもの-【 3 】




「おかえり」


──ガチャ、と玄関扉を開けるなり。

アオイの声が飛んできた。


「……何してんだ」

「見ればわかるだろ。荷ほどき」


段ボールだらけの部屋。

引っ越してまだ二日目。


当然と言えば当然。

だが。


「……怜。コイツ黙らせろ」

「逆だ。紫藤、コイツ口を割らせろ」


なんでか、『荷ほどき』と言ったアオイは、多夜の胸倉を掴んでいる。

何をほどこうとしてんだ、お前。


「私のカメラがない!!絶対コイツが捨てた!!」

「知らん」

「絶対お前だろ!荷詰め手伝えって何度も何度もせっついて!!やっと最後手伝ったと思ったら、余計なことしかしてなかった!ほとんど捨ててた!」

「俺に指図するな。文句も言うな」


俺は溜息を吐いた。

多夜は言葉足らずだし、アオイは口が悪い。