余所者-よそもの-【 3 】




「みーんな、ママが大切なんだって!」



こんなに、たくさんの『みんな』。


「………」


見渡せば。

知っている顔ばかりだった。


みんな、私を知っている。

私も、みんなを知っている。



──『余所者か』

あの日、独りぼっちだった私。


誰も、私の事を知らなかった。

私も、誰の事も知らなかった。


終わりの街に堕ちた私は。

本当に、何も持っていなかった。


──そこから、始まった。


街の歩き方は、とても難しかった。


足を止めず。

目を合わさず。

耳を塞いで。

口を結ぶ。


誰かが傷ついていても、誰も気にしない。

傷ついていても、誰にも見つからない。


きっと。

あの時は、それが心地よかった。


だけど。

今は、もう違う。



どこに、どんな風に上手く隠れたとしても。

──誰かが、私を見つけてくれる。