「ママの居場所は、パパのところだけじゃないよ!」
「………」
「ママのこと好きなヤツは、こんなにたくさんいる!」
こんなに……たくさん?
猛スピードで走るバイクの風の音。
それさえかき消すほどの、声。
「カナコちゃーーんッ!!」
「カナコさぁぁぁん!!」
「カナコォォーーー!!!」
潤、サンコン、リンコ。
それから。
バンも、トウジも。
バイクの上から。
車の窓から。
みんなが、カナコの名前を叫ぶ。
その奥にも。
たくさんの見知った顔。
龍翔鳳鱗の仲間。
AnBarの常連さん。
露天街で、いつも何かをくれるおじさん。
Z地区とシトウの境界線でよく起こしてあげる、道路で昼寝をするのが得意なお兄さん。
シトウのメインストリートで会う度に天気の話をする、顔の怖い男の人。
街を歩くたび。
少しずつ、増えていった。
ちょっと変わった、カナコの友人たち。


