バイクに乗り、しばらく走った。
流れる景色を見渡しながら、ふとカナコが気付く。
「ねぇ。なんか今日、シトウ騒がしくない?」
「そうだね。きっとママのこと探してるんだろ」
「私?なんで?」
「攫われたことになってるから」
「……へ?」
一体、千景は何を言ってるんだろう。
けれど、よく考えたら長い時間外出しているのに、誰にも連絡できていない。
掴まっていた千景の肩から手を離し、ポケットに手を入れた。
「……あれ」
スマホが、ない。
「あ。ママのスマホなら持ってるよ!スった!」
「なんで盗むの!」
「ついでに電源も切ってある」
「……はあ!?」
まずい。
これじゃ本当に、姿を消したと思われる。


