────……
──……
「ママ!ほら歌お!」
シトウ郊外。
とあるカラオケルーム。
ルンルンとマイクを握る千景。
そして……
「ねぇ、千景。どうしたの?急に」
不思議そうな顔をしている、カナコ。
カナコは買い物中、突然。
後ろから近づいてきた千景に、フルフェイスのヘルメットを被せられた。
そのまま理由も聞かされず。
バイクでここまで運ばれてきてしまった。
「だって。ママ、最近元気がなかったから」
そう言われ、「あ……」と気が付く。
ユキと、三日間まともに話せていなかったから。
きっとそのことだ。
「心配かけてごめんね。私もう大丈夫だよ」
「なぁんだ。それならよかった!」
千景はソファの上で胡坐をかきながら、大きな口で笑った。


