やがて。
おもちゃ箱前に集まった、Z地区の住人。
デックはだるそうに表に出た。
「あのぉ。カナコさんって知ってる?逆に、知らないヤツいるぅ?」
周囲を見渡す。
首を傾げているヤツは一人もいない。
「なんかぁ。行方不明らしくてぇ。これからスマホに情報回すから」
「………」
「以上。よろしくぅ」
とてもやる気のない指示を出した。
周囲はざわめく。
「あの小さい女の子だ」
「地下の売人の精神安定剤」
「いなくなったら大変」
「俺ら、死活問題」
「やばそう。みんな行くなら俺も」
「僕も、探す」
集団は、一斉に動き出す。
デックは呆けた。
「ほぇ……。みんな、行くんだぁ……」
……よし。
何はともあれ、仕事は済んだ。
俺も。
「……逃げよ」


