なぜなら。
──自分のやることが……ない。
情報は、すでに収束されていた。
街は、すでに閉鎖されていた。
人が、すでに動いていた。
「誰が……街に、指示を……」
そんな形跡は、どこにもない。
おかしい、変だ。
こんなこと、過去のシトウで一度もなかった。
一人、一人が。
誰からの指示も受けず。
ひとりでに。
──カナコを、探している……?
「なんだ……これ……」
野間は、ゆっくりと顔を上げた。
人が走る。
車やバイクが行き交う。
情報が、勝手に巡る。
救いの手が、勝手に巡る。
「街が……勝手に、動いてる……」
意志を持って流れる人々は、
まるで、この街を巡る血液。
この街そのものが。
ひとつの、生き物になったみたいだ──……


