余所者-よそもの-【 3 】



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「さぁて。そろそろメイクしなきゃ」

「酒、ちょっと仕入れ過ぎたか」


露天街の外れ。

ニューハーフバー、SHOW-Me。


リンコとトウジは、客を迎えるための準備をしていた。


「今日も予約でいっぱいだな」

「当たり前でしょー。誰の店だと思ってるの」


リンコは重たそうなメイクボックスをテーブルにドン、と置いた。

トウジは奥で酒瓶の整理をしている。


「そうだ。レンもシトウに引っ越してくるってよ」


龍翔鳳鱗 二代目総長のレン。

彼はリンコとトウジが現役だったころ、一番に可愛がっていた後輩だ。


リンコは嬉しそうに、カラカラと声を上げて笑う。


「アイツの顔、メイク映えしそうよね」

「……やめてやれ」

「食いぶちは?」

「引っ越してから探すってよ。ユキさんに相談しようと思ってる」


リンコは保湿スプレーを顔に振りかけながら「ふーん」と何かを考えている様子。


「……うん、決めた」

「なんだ?」

「SHOW-Me、2店舗目出す」

「マジか」

「シトウのド真ん中。いっぺん攻めてみたいのよね」

「レンに手伝わせるってことか」

「そう」

「アイツ、喜ぶな」


「楽しくなるわねぇ」


さて、メイク。

そこで、テーブルの上のスマホに届いた通知が目に入った。


手に取り、内容を確認する。


「……トウジ」

「なんだ」


トウジの顔つきが変わった。


「今日のアタシの予約、全キャンセル。それで、龍翔鳳鱗を集められるだけ集めて。すぐに」

「車は?」

「要る」


リンコは素顔のままで、店を飛び出す。

トウジはスマホに耳を当てながら、車のキーを取り、その背中を追いかけた。