カナコは支度を終えると、AnBarへ向かった。
集まった仲間に食事を出したり、ひとしきり会話をしたあと。
買い出しのため、街へ出た。
「今日のご飯、何にしようかなぁ」
リンコが集合をかけたから。
きっとほとんど全員が、深夜にAnBarへ集まるはず。
白米を炊いて。
みんながお腹いっぱいになる食事と。
お酒をたくさん飲む人には、酒のつまみもいっぱい作っておこう。
カナコはそんなことを考えながら、ウキウキと歩いた。
その足が露天街に入ると、声を掛けられた。
「お嬢ちゃん」
「こんにちは。お元気ですか?」
「みかん、あげる」
顔見知りの露天街の商人から、ひとつのみかんを受け取った。
代金は求められない。
露天街では、珍しい光景。
それもいつからか、カナコの日常になった。
「わぁ、嬉しい。ありがとうございます」
カナコは商人と別れて、またしばらく歩いた。


