余所者-よそもの-【 3 】



「………」


ユキは彼女の突然の行動に、ただ目を丸めた。

カナコは恥ずかしそうに目を逸らす。


「……私も、ユキさんに触りたかったから」


「……ダメだ。……可愛い」

「え?」


ユキはもうたまらない様子で、ガバッと彼女の身体を抱き込んだ。


お尻を支えて、身体をぐん、と持ち上げる。

そのまま壁際まで運ぶと、トン、と背中を壁につけた。


「待っ……ユキさ──……」

言葉は、下から突き上げるように向かってきた彼の唇に飲み込まれる。


「……っ」

カナコは両手でユキの肩をぎゅう、と掴んで、一生懸命キスに応えた。

けれど、どうしても。


……息継ぎが上手くできない。


「息……して」

唇が離れた隙に、「はあっ」と息を吸い込めば。


「……っ」

開いた口を、かぷり、と食らいつかれる。


「んーー……!」


とんとん、とユキの肩を叩く。

ようやく唇が離れた。


「かぁこ、下手くそ」


ユキの口端が、意地悪そうに上がっている。

カナコの赤らんだ頬が、ぷう、と膨れた。


「やっぱり、いじわる……」


「お前が可愛いから」


抱き上げられたまま、カナコはユキの顔を見下ろす。

細められた目が、とても色っぽい。


ほら、もう一度。

そう求める唇に、カナコがゆっくりと顔を近づけたときだった。


──ブー、ブー、と鳴りだしたバイブ音。

着信の知らせ。


「……あ。野間くん」


すっかり忘れていた。