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穏やかな、昼下がり。
ジャアジャア、と水の音がキッチンに響いていた。
カナコは、つい先ほどユキと一緒に食べた食器を洗っていた。
すると──ブブッ、とスマホのバイブ音が鳴り、ふと顔を上げる。
カウンターの上に置かれたユキのスマホに表示された通知に目をやった。
「ユキさん、野間くん下に着いたそうですよ」
奥の部屋で着替えをするユキに、少し大きな声で知らせた。
「ありがとう」
キッチンにやってきたユキは、すっかり支度を終えて外出の格好。
それでも玄関には向かわず。
洗い物をするカナコを後ろから抱きしめた。
「……行ってくる」
どこか、不貞腐れたような声。
カナコは小さく笑う。
「かぁこは今日も休みでもいいよ」
「そんな、何日も休みませんよ」
昨日一日、休ませてもらった。
カナコだって、支度をしたらAnBarに向かう。


