「……へ?」
「読むつもりはなかった。でも、つい」
「読んだんですか?」
「だからごめん」
変なこと書いてなかったっけ。
記憶の中を洗い出す。
「黙っておくのも悪いって思って」
「………」
「一応、気付かれるようにはしたんだけど」
私はくるっと寝がえりを打って、
ベッドの下に手を差し込んだ。
ノートを出して、ユキに見えないように控え目にページを開いた。
「返事、書いておいた」
パラパラとめくる。
すると、丁寧な筆跡が目立つページを見つけた。
”ユキさん 香水の匂いがした 誰だろ”
”嫌な気持ち”
【シャワーを浴びて帰るよ】
「………」
そのシャワーのせいで……。
盛大に誤解しました。
”変なの 私の気持ちは 嬉しい”
”もしかしたら嫉妬かも そうだったらいいな”
【お前に嫉妬されてみたい】
「………」
そして、盛大に嫉妬しました。
”すき”
【俺も好き】
「………」
”また誰かを好きになるのが怖い”
”タカみたいになるのが怖い”
”好きって言ったら 何かが変わりそう”
【ずっと優しい俺でいよう】
「………」
今日、それをやめてもらいました。


