余所者-よそもの-【 3 】



「………」


腕の中のユキを見下ろす。

胸の音を聞くように、頬をぴったりとくっつけた顔。

まつ毛の長さが、よく見える。


ユキは一度ちらりと私の顔を見上げると。

少し身じろぎをして、私の腕に添わせるように、腕を回した。


「……はじめのころ」

「………」

「俺、お前のこと。痛みを感じない人間なんじゃないかと思ってた」


ぽつり、とユキが零した話。


そういえば。

ユキと初めて出会ったときから、私は傷だらけだった。


「痛そうな怪我してるのに、平気な顔をしてるし」


ユキは唇の前にある胸の傷痕に、そっと指先で触れながら話す。


「誰かが傷つくくらいなら、自分が傷つけばいい。そんな顔をするから」

「………」


「多分。俺がお前から目が離せなかったのは、そういうところだったんだと思う」

「………」



「お前は、人には優しいくせに。自分には、全然優しくしないから」



指先でくすぐられていた、胸の傷痕。

ユキはそこに、吸い付くようなキスをした。


ちくん、と肌を刺すような刺激。

「……っ」

吐息が零れる。

腰が仰け反って、ユキを抱いていた腕が緩む。


「だから」


私の顔の横に、突き立てられた腕。

右手は、私の頬に優しく添えられる。


熱い視線が交わって、溶けていく。



「──その分。俺が、全部愛してやる」

「………」



「お前は──……綺麗だ」


「………」