ユキの左手。
私の右手。
ユキが身体を起こすと、繋いだ手の間で、腕が伸びる。
離れてほしくなくて、ぎゅっと指先に力を込めた。
すると。
返事をするみたいに、ぎゅっと強く握り返してくれた。
もう片方の右手は、私の胸の横から。
あばらを撫でて、腰まで辿る。
触れたのは、白く残った細い傷。
そこも……痛かった。
「……ユキさん」
もう、全部が、痛かった。
怖かった。
悲しかった。
辛かった。
悔しかった。
傷の中に、置き去りにしていた。
──過去の、私たち。
ユキは優しく撫でて。
もう大丈夫だよって言うみたいに、キスをする。
ユキがくれる熱に。
身体が、反応する。
なんで……今更。
こんな古い傷痕が、痛むんだろう。


