余所者-よそもの-【 3 】



「………」

この傷も、とても痛かった。


眉間に力がこもる。

下唇を、噛む。


あのときの私は……泣いていた。


煙草に焼かれて、熱くて。

痛くて痛くて、仕方がなくて。


涙を流すことしか、できなかった。

だけど彼が『泣くな。俺が悪いみたいだろ』、そう怒ったから。


ぐっと眉間に力を込めて。

唇を噛み締めて。


──涙をこらえた。

あの日の私。


「………」

ユキの右手が、私の頬に添えられる。


目尻を親指で撫でたあと。

すっと下りた指は、私の下唇をなぞった。


噛み締められていた唇は、触れたユキの指に、ぷっくりと顔を出した。

ユキは一度ゆっくりと瞬きをすると。


やっぱり。

胸元の傷痕へと視線を落とし。

そこへ、キスをした。