頬にあった温かい手。
私の肌の上を滑って。
ゆっくり、ゆっくり。
首筋から、肩へ。
鎖骨へ、下りていく。
素肌の上をそっとなぞる、手。
身体を見下ろすユキの、熱っぽい瞳。
ぞくぞくして、胸が上下する。
やがてその手は、鎖骨の下のあたりでピタリと止まった。
ユキは、一点をじっと眺めて。
「………」
指先で、くるりと円を描くように、なぞった。
「ユキさん……っ」
ぞく、としたものが身体に走る。
吐息を零し、身を捩る。
縋るように、ユキの太い腕を掴んだ。
ユキが触れている、そこは。
──根性焼きの傷痕が残る場所。
伏せた目。
長いまつ毛の奥の薄い瞳が、悲しげに揺れてる。
その切ない表情に、どうしてだろう。
……痛い。
そう思った。
胸の奥から、沁み出てくる。
肌の表面を破るような、痛み。
もう、傷口はすっかり塞がっているのに。
ユキが触れる場所が、焼けるように、熱い……。


