余所者-よそもの-【 3 】



そうだ。

私、悲しかったんだ。


「どうして、悲しい」

「私、その日……誕生日だったんです」


期待していた。

その前の誕生日は、指輪をプレゼントしてくれた。


今年の誕生日は、どんな風にお祝いをしてくれるかな。

そんな風に。


だから、悲しかった。

誕生日くらい、優しくしてくれるんじゃないかって、期待をしたから。


だから、悔しかった。

期待をして、勝手に悲しくなった、自分が。


「この、傷がついたとき」


ユキはそう言いながら。

私の額の傷を、親指でそっと撫でた。


「痛かった?」

「たしか……痛かった、です」


もちろん……。