余所者-よそもの-【 3 】



額に触れた指先。

前髪をそっと掻き分けていく。


「ここは、どうして傷ついた?」


額の真ん中にある、傷痕。

それはユキと出会った日についた傷。


「彼氏と温泉旅行の帰りに、車の中でスマホホルダーに頭をぶつけられて」

「なんで、そんなことを」

「その日は、ずっとイライラしてたから。ガソリンスタンドを探していて、私、上手くナビができなくて」

「お前は、腹が立たなかったの?」


どうだったっけ。

あの日の私は。


「……なんとも思ってなかったかも。旅行なんて来なきゃよかったって思ってたくらいです」

「雪の中に捨てられても?」


「………」

雪……。


ああ、違う。

そうだ。

思い出した。


「それは、少し悲しかった……」