余所者-よそもの-【 3 】



「それに……ユキさんが」

「うん」


「いつもこうやって……この手を握ってくれるから」


傷がついたときも。

傷が、治ってからも。


ユキはずっと、この右手を大切に触れてくれる。


「ここは。お前が俺を守るために、ついた傷」


ユキは私の手をくるりと返し、手の甲側から指を絡める。

そのまま手のひらを口元へ引き寄せて。


一直線に走る傷痕に、ちゅ、と柔らかい唇を触れさせた。


見慣れた。

いつもの、仕草。


「だからユキさん、いつもそこにキスするの?」


「ここに触れると、お前の優しさを思い出すから。俺も、優しくなれる気がする」


思えば。

この手にキスをするときは、ベッドで眠るときだった。

いつも、何かの熱を覚ますように、ここで息を吐く。


ユキはやっぱり大切そうに、私の右手を支えながら。

ゆっくりと、ベッドの上へ戻した。


ユキの両手が。

今度は、私の顔へと近づいてくる。

「………」

目の前まで来た手に、反射的に目を閉じた。