絡めていた指をゆっくりとほどき、私の手のひらを開く。
そこに残る傷痕へ、視線を落とした。
「ここ」
「………」
「どうして、傷ついた?」
……なんで今更、そんなことを聞くんだろう。
「千景のナイフを握ったときについた、傷です」
ユキだって、知ってるのに。
「痛かった?」
「あんまり……覚えてません」
意識がもうろうとしていたし。
怪我をした瞬間も、そのあとも。
特に、痛みは気にならなかった。
「この傷……お前は嫌いなの?」
私は少し、考えて。
首を横に振った。
「このことがあってから、千景がナイフを使うの、やめたんです」
「そうか」


