リンコのお酒を用意しようと、手に持ったままのスマホをカウンター台に置いた。
「……あ」
画面を見て、凍り付く。
『今日も帰りは遅くなりますか?話したいです』
メッセージが、送信されてしまってる。
置くときに、指が当たっちゃったんだ。
遅くなるってトウジから聞いたばかりなのに。
メッセージを取り消そうとしたけれど、ちょうど既読マークがついてしまった。
遅かった……。
慌ててメッセージを作成する。
『ごめんなさい。まちがえ
そこまで打ったところで、ユキから返信が届いた。
『わかった』
それだけ。
「カナコ?」
「すみません、すぐに用意します」
リンコにお酒をつくり、少しお喋りをしてから。
トウジの運転する車で、マンションへと帰った。


