「ユキさん、女から移った香水のニオイ落とすっつって、僕んちでシャワー浴びて帰る日があるんすよ」
「なんで?」
「カナコさんが嫌がるからって」
「……は?」
「『これで大丈夫』だ、『かぁこに会える』って、ルンルンでマンションに帰っていくわけですが」
「………」
「普通に考えたら、シャワー浴びて帰ってくるのって」
「浮気してるって思うわな」
そうだよな。
「ユキさんあんなに賢いのに、どうしてカナコさんに関してだけ極端にIQ下がるっすかね?」
何にしても、早く仲直りしてほしいものだ。
……カナコさんの機嫌次第で、街一つ潰れかねない。
マジで。
野間はビールグラスの結露を指の腹で拭い、小さなハートを一つ描いた。


