「ノマケン、なんかアイツのことで苦労してない?」
「え?なんでっすか?」
「わかり辛いから、アイツ」
確かに、ユキさんはあまり考えていることを口にしてくれない。
感情も滅多に表に出さないし。
でも。
「シトウの統治においては、特に」
「あら、そう」
潤は意外そうに目を丸めた。
「だって、街創りにおけるあの人の行動原理って、結局カナコさん一人ですし」
「まぁ、そうか」
「カナコさんが悲しまないであろう判断をしていれば、だいたいがユキさんに正解をもらえます」
潤は「なるほどな」と、面白おかしそうに笑う。
「ただ……」
野間の声が沈む。
「最近どうもユキさんの様子がおかしくて。潤さんなんか知ってます?」
「そうなの?何も聞いてないけど、様子が変ってことならほぼ間違いなく原因は──」
そこで二人は顔を突き合わせ、
「カナコちゃん」
「カナコさん」
と、たった一つしか考えられない原因を一致させる。


