余所者-よそもの-【 3 】



「それにしても賢い人だ。金の流れを見せただけで、街がどう回ってるか頭に入ったみたいだった」

「アイツ、地頭いーのよ」

「誰と深く付き合うか、誰を切るかの判断も早い。しかも交渉すりゃ、なんだかんだ最後は相手にイエスって言わせるし」


すると潤はニヤつく口を隠すように酒瓶に口をつけ、傾ける。


「ノマケンがコッチに残ってくれて、よかったよ」

「それは光栄です。僕はただ、今を楽しんでる」


ユキとの仕事は楽しい。

紫藤さんとはまた違った刺激がある。


「同じシトウなのに、まるで紫藤さんの頃とは違う世界だ」


いつか。

紫藤さんを『シトウの紫藤』という役割の檻から、どう逃がせばいいのか。

どうすれば、あの人を助けることができるのか、わからなかったとき。


ユキさんは、僕にこう言った。


──『俺は、紫藤の造った、この世界を壊す』


この言葉に、賭けた。

死ぬかもな、なんて思いながら、紫藤さんを裏切るような真似までして。



「……本当に、叶えてくれるだなんて」


生きていて、よかった。