余所者-よそもの-【 3 】




──シトウにある、野間の自宅。

ユキは慣れた様子で玄関に上がり込み、まっすぐに風呂場へ向かった。


ユキがシャワーを浴びている間に。

野間は部屋の隅に置いてあった段ボールを開けた。


これは、ついこの間。

ユキから何の説明もなく野間宅へ送りつけられたもの。


中身はユキの着替え一式。


野間は新品の服と下着をワンセットにして、脱衣所へ持って行った。

丁度シャワーを終え、浴室のドアを開けたユキに、バスタオルを手渡す。


「あの」

「なに?」

「前から思ってたんすけど」

「うん」

「これから帰るんですよね?自分の家に」

「そうだよ」


「家で風呂に入ればいいんじゃ……」


不可解なユキの行動。

なぜ、わざわざ人の家で風呂に入って帰るんだ。


わしゃわしゃとタオルで髪を拭きながら。

なぜだか、ユキは幸せそうな顔で笑っている。



「かぁこ、俺から”香水の匂い”がすると、”嫌な気持ち”になるらしくて」



「………」


「ニオイ、家に持ち帰るわけにはいかないだろ」


そう言って、ユキはニオイの沁みついた洋服をゴミ箱に放った。