「………」
さて、と顔を上げる。
顔を真っ赤にして裸同然の女を凝視しているバン。
情けない姿で床にへたり込んでいる、東の女帝。
野間は立ち上がり、女の前で目線を合わせるように屈んだ。
「……なんなの、あの男」
「一からシトウを創り変える男です」
「変よ。おかしい。どう考えても街の仕切りには、私の力が必要なはずよ」
野間は「はあ。」と溜息を吐いた。
まぁ、この女にはわからないか。
「この街の仕切りにおいて。あの人が大切にしているものは、ただの一つだ」
「……なに」
「ナイショっす。でも、」
野間はその声を一段低くして言う。
「お前じゃないことは確かだ」


