余所者-よそもの-【 3 】



「東は一から創り直すことにする」

「何言ってるの?店も利益も要らないの?それだけじゃないわ。私がどれだけ街と深く関わってると思ってんのよ。簡単に創り直すことなんかできない」

「店も利益も人脈も要る」

「だったらっ」



「でも、お前は要らない」



ユキはそう吐き捨てると、個室の出口へと向かって歩きだす。


「お前を街に残す方が、後々面倒だ」

「………」


「今すぐ、シトウから出ていけ」


あっさりと女を切り捨てたユキに、野間は言葉を失う。

「………」


この女を残せば、東は今まで通り回る。

ただし、この先もずっと。

何かあるたび、この面倒な女を相手にし続けなければならない。


一方で。


女を切れば、一時的に膨大な利益を失う。

さらに。

東一帯を一から組み直す膨大な手間もかかる。


それでもユキは──

長い目で見れば、後者の方がよほど安くつくと判断した。


野間は誰にも見られないように顔を伏せ、込み上げてくる笑いをかみ殺す。

……なんて人だ。