余所者-よそもの-【 3 】



女はユキの手を取って、自分の胸へと近づけた。


「あなたと契約はしたい。本当よ」

「………」

「だけど時間がほしい。こんな風に私と──」


掴まれた手を振りほどいたユキは、女を膝に乗せた状態のまま立ち上がった。


「きゃぁ……っ!」

支えを失った女が──ドン!と床に尻もちをつく。


ユキはそれを、冷徹な瞳で見下ろしていた。



「不快だ」


一言そう言って、テーブル上の契約書を手に取り、ビリビリと破く。


「あなた……私の価値を知らないの?」

「知ってる」

「私を切ったら、東の夜は回らないわよ」

「まぁ、そうだろな。それも一時のことだ」

「……は?」


粉々になった紙切れを、女の頭上から紙吹雪のように散らした。