余所者-よそもの-【 3 】




「どうぞ」


女が酒をつくり終えるなり、ユキは静かに口を開く。


「契約書。内容は見たか?」

「見ましたよ。でも、なんだか納得がいかなくって」

「どこが気に食わない」

「わからない。でも、もう少し話し合いを重ねないと」


「前回、お前がそう言ったから、コッチから案を出してる」

「………」

「それに目を通したのかって俺は聞いてる」


ユキは女へ目線を合わせることすらしない。


「見ましたよ。でも、なんだか納得がいかなくて」

「………」


恐ろしいほど、堂々巡りの会話。

ニコニコと笑顔を浮かべる女に、野間はぞっとした。