ユキと野間。
それから店の前で合流した、バン。
三人は、甘ったるい匂いの充満するラウンジの最奥の個室──VIP席へ通された。
上等そうなソファに腰を下ろし、待つことしばらく。
東の女帝が颯爽と現れた。
「瑞生さん、わざわざご足労おかけしてすみません」
肩紐のないベアトップドレスから、胸元を大胆に覗かせた女。
まだ三十そこそこで、東の夜を仕切る地位まで上り詰めた。
相当なやり手。
その佇まいには、年齢以上の貫禄がある。
ソファの真ん中に座っているユキ。
女は迷うことなくその隣に腰かけ、酒を作りだす。
「今日はシトウのどちらを巡回されていたんですか?」
「………」
「今日はおひとりいないんですね。サンコンさん、だったっけ」
「………」
「どうですか、シトウの街は。上手くまとまりそう?」
「………」
女の話にユキは一言も返さない。
最初こそ、最低限の会話をしていた。
だが、女の機嫌を取る気はもうないようだ。


