余所者-よそもの-【 3 】



「今日もあくまで契約書で話を進めるつもりですか?」

「そうだよ」

「諦めません?あの女だけでも。もう脅し付けちゃいましょうよ」


殴っちまえ。

これまでの話し合いで、何度そう思ったかわからない。


あの女に関してだけは、紫藤の恐怖支配を見習えばいい。

従わないヤツは、地の果てまで追い詰める。


「駄目だ。一つでも例外を作れば、仕組みにした意味がない」


しかし、ユキは徹底してそれをやらない。



紫藤自身が、街の秩序だったあの頃とは違う。

ユキが作ろうとしているのは、自分がいなくても成立する秩序だ。



「まぁ。今日で仕留めるよ」



ユキの目から、すっと温度が消える。

そうして、女が経営する会員制ラウンジへと、足を踏み入れた。