「念のため聞くっすけど」
「うん」
「『自称の女』の中に、リアル女が紛れてたりしませんよね?」
「リアル女ってなんだ」
「いやぁ……よくあるじゃないですか。本命とは別に、ちょっと遊ぶだけの女とか」
もし。
カナコの他に、ユキが守るべき対象がいれば。
そんな野間の配慮を、ユキは一蹴した。
「俺、かぁこ以外の生き物を『女』として意識したことがない」
「……どんだけですか。まぁ、そしたらオール放置でいきますね」
「うん」
「この女共は、僕らにとっても都合がいい」
偽物が増えれば増えるほど、本物はその中に紛れる。
カナコは明確にユキの弱点だ。
力を持つ者への敵意が、本人ではなく、その大切な人間へ向けられることは珍しくない。
なにせ、紫藤の頃もそうだった。
「ただし──……」
「監視だけ──……」
野間は意図せず、ユキの言葉に被せてしまった。
けれど、言葉を続けることにした。
おそらくユキの言いたいことと、自分がこれから伝える方針は同じな気がする。
「自称の女へは、監視を付けておきます。カナコさんへの護衛対策用に」
どんなヤツが、どんなことをする可能性があるか。
その動向を拾って、カナコへの守りを万全にする。
「やっぱいいね、ノマケン」
「あざっす。では、ユキさんからの指示ということで伝達いれておきます」
「よろしく頼んだ」


