余所者-よそもの-【 3 】




「ユキさん、おかえりなさい」


お風呂から上がって、一人ベッドに入った。

まもなく、ユキが帰ってきた。


灯りのない寝室。


「ただいま、かぁこ」


ギシ、とベッドが軋む。

布団の中に、ユキの温もりが加わる。


今夜も私の手を握って、そこにキスを落として。

抱き寄せて、抱きしめる。


そして、ふわ、と。


また。

知らない石鹸のニオイがした。


「シャワーは……」

「うん、大丈夫。浴びてきた」


なんてことのない、声。

なんてことのない、言葉。


ユキにとって。

きっと。


複数の女と関係を持つことは、普通。

好きって言葉を囁くことも、普通。

大切にすることも、普通。


「………」

私は、ユキの特別じゃない。


ユキの吐息が、顔に近づく。

けれど、その唇は、やっぱり私の唇を避けて。

首筋に、顔を埋めた。


他の女に触れたニオイを落とした。
その、不自然な香りを嗅がせてくるように。



「──……触らないでっ!!」



気がつけば。

そんな言葉が、私の口から飛び出していた。