夜のAnBar。
リンコや潤たちは仕事。
ユキや野間、シトウ組も街に出ている。
店内には、サンコンとバンの二人。
合間にここに立ち寄り、ゆっくりとくつろいでいる。
私はパソコンと向き合っていた。
経理のお手伝い。
ユキから預かったたくさんの領収書を、カタカタとパソコンで打ち込んでいく。
キャバクラ。ラウンジ。
夜のお店の領収書が、何枚が出てくる。
噂で聞いた、『東の女帝』とかいう人のお店かな。
全裸でユキに迫ったっていう……。
「………」
そんなことがふと頭によぎって、ふるふると頭を振った。
するとバンの「ぎゃはははは!」って笑い声が後ろから響いてきた。
さっきから、サンコンとバンは何の話をしてるんだろ。
楽しそう。
「──でさぁ、その東の女帝が、急にユキの前で脱ぎだして!真っ裸でユキさんの上に跨りだしてよぉ!」
……あ。
「俺マジでビビった!」
「そうですか」
あの街の噂……本当だったんだ。
『ユキの前で、全裸になって迫った女がいる』
『その女はユキをオトした』
『ユキには女がいっぱいいる』
──じゃあ、どこからどこまでが本当の話?
「でさぁ。どうすんだ?自称ユキさんの女たち。街で狙われてるぞ?」
「要監視で。ユキがそう言っていましたから」
「え。全員に見張りつけんの?」
「そういうことです」
『自称ユキの女たち』『街で狙われてる』
『要監視』『見張り』
守られてるのは、私だけじゃ……ない。
街にいる自称ユキの女たちも、ユキに守られてる。
……あれ?
私って、ユキのなんだっけ。
もしかして、私も。
『自称ユキの女たち』、その内の一人だったりする?


