余所者-よそもの-【 3 】



夜のAnBar。


リンコや潤たちは仕事。

ユキや野間、シトウ組も街に出ている。


店内には、サンコンとバンの二人。

合間にここに立ち寄り、ゆっくりとくつろいでいる。


私はパソコンと向き合っていた。


経理のお手伝い。

ユキから預かったたくさんの領収書を、カタカタとパソコンで打ち込んでいく。


キャバクラ。ラウンジ。

夜のお店の領収書が、何枚が出てくる。


噂で聞いた、『東の女帝』とかいう人のお店かな。

全裸でユキに迫ったっていう……。


「………」

そんなことがふと頭によぎって、ふるふると頭を振った。


するとバンの「ぎゃはははは!」って笑い声が後ろから響いてきた。


さっきから、サンコンとバンは何の話をしてるんだろ。

楽しそう。


「──でさぁ、その東の女帝が、急にユキの前で脱ぎだして!真っ裸でユキさんの上に跨りだしてよぉ!」


……あ。


「俺マジでビビった!」

「そうですか」


あの街の噂……本当だったんだ。


『ユキの前で、全裸になって迫った女がいる』

『その女はユキをオトした』

『ユキには女がいっぱいいる』


──じゃあ、どこからどこまでが本当の話?


「でさぁ。どうすんだ?自称ユキさんの女たち。街で狙われてるぞ?」

「要監視で。ユキがそう言っていましたから」

「え。全員に見張りつけんの?」

「そういうことです」


『自称ユキの女たち』『街で狙われてる』
『要監視』『見張り』


守られてるのは、私だけじゃ……ない。

街にいる自称ユキの女たちも、ユキに守られてる。


……あれ?

私って、ユキのなんだっけ。


もしかして、私も。

『自称ユキの女たち』、その内の一人だったりする?