余所者-よそもの-【 3 】



その日のユキの帰りは遅かった。

一緒に帰れないから、トウジの運転する車でマンションまで送ってもらって。


お風呂に入って、寝る用意をしていた。

ガチャ、と玄関のロックが外れる音に、玄関まで出迎える。


「ユキさん、おかえりなさい」

「ただいま、かぁこ」


ユキは玄関先で私を抱きしめた。


「………」

あれ。


いつもと違う香りが、鼻を掠める。

知らない……石鹸の香り。


いや、気のせいかな。


「疲れた。寝るか」

ユキはそう言って、廊下を歩く。


「シャワーは……?」

後ろからそう尋ねれば。


「浴びてきたから」


何食わぬ顔で言ってくる。


「え、外でシャワー浴びてきたんですか?」

「うん。だからもう眠れるよ」


え?どこで?

どうして?


「なんで。外で、シャワーを……」

「ん?」

「何か、その、汚れちゃった……とか?」


ユキは首を横に振った。


「ニオイがしたら、お前が嫌がるかと思って」


「………」


ニオイ?


「おいで、かぁこ」

「………」

「ベッドに行こう」


何の、ニオイ?

どうして、私が嫌がると思ったんだろう。


聞きたい。

でも。


なんだか、聞くのが怖かった。