私はその日も街に出た。
日中のメインストリートには、人だかりができている。
誰かが喧嘩してるみたい。
もしかして、ユキかな。
少し気になって、集まった野次馬の最後尾に立った。
人がいっぱいで、騒ぎの中心は目に見えない。
だけど、ざわざわと騒がしい周囲の声が状況を教えてくれる。
「シトウ対シトウだって」
「反瑞生派がまた暴れてるってさ」
中で喧嘩してる人が誰なのかは、わからない。
もう少し声を拾わないと。
けれど、どうしたことか。
私の耳は、黄色い女性の声を細かに集めだした。
「瑞生さん来ないかな」
「カッコいいよね。超美形」
「彼女いるのかな?」
相変わらず、ユキはモテる。
「彼女もセフレもいっぱいらしいよ」
「来るもの拒まず系?」
「じゃあ私も頑張ってみようかな」
「私、何回かヤったことある」
……え?


