余所者-よそもの-【 3 】



まずは、助けてくれたこの人にお礼を言わなきゃ。


喧嘩屋と呼ばれた、ムキムキの男の人に向き合う。

すると、その隣。

男のイカつい肩にポン、と手を乗せて笑う……野間がいた。


「野間くん?」

いつの間に。


野間は親し気に男へ話しかける。


「ナイスっす」

「……いや」

「なんで殴らなかったっすか?一瞬殴りかけたっすよね?」

「どうせお前ら張ってると思ったし。それに自分の女のことは自分で片付けたいだろうが」


野間は「はは!」と嬉しそうに笑う。


「今度瑞生さん呼んでみんなで飲みましょ」

「また連絡寄こせ」

「うっす」


喧嘩屋。

そう呼ばれた男は街へと消えていった。


「喧嘩屋……さん?」

その背中を見送りながら、首を傾げる。


「元シトウの幹部っす。中でも一番紫藤さんとの付き合いが長かった」

「そうなんだ……」

「いろいろ感情は複雑っぽいですが。紫藤さんから御触れが出てから、ちょっとずつユキさんを認めてきてる感じっすね」

「そっか」

「近々、AnBarに出入りするようになると思うんで、ツラ覚えておいてやってください」


仲間が、また増える。

「うん」

返事をしてから、私はキョロキョロとあたりを見渡した。